あれは僕がまだ幼稚園に通っていた頃のことだ。ある日、友達と遊んでいる最中に、いたずら心で物置に閉じ込められた。その時は、狭くて暗い空間にパニックになり、泣き叫んで助けを求めた。でも、友達の笑い声が聞こえてきて、やがてその騒ぎは収まった。そして、物置の扉が開かれた時、僕は涙でぐちゃぐちゃになった顔を友達に見られて、また一層恥ずかしかったのを覚えている。
その出来事は、子供心に大きな影響を与えたと思っていたが、どうやら違ったらしい。今思い返せば、あの時の暗くて狭い空間が、僕の心のどこかに小さな種を蒔いたのかもしれない。それはトラウマではなく、むしろ性癖という形で。
大人になった今、40代の僕は平凡なサラリーマン生活を送っているが、ふとした時にあの物置の感覚が蘇ることがある。例えば、ストレスが溜まった時や、日常の中でふとした瞬間に。そういう時、僕は自分だけの秘密の場所に逃げ込む。それは、クローゼットの中だったり、車のトランクだったり、とにかく狭くて閉鎖的な空間だ。
最初は自分でも驚いたが、その閉鎖空間にいると、なんとも言えない安心感と興奮が湧いてくるのだ。暗闇の中で静かに呼吸を整えながら、自分だけの世界に閉じこもることで、心の中のざわめきが静まっていく。そして、その感覚に身を委ねると、何とも言えない解放感が広がる。
友達にはもちろん言えないし、家族にも内緒だ。こんなこと、誰かに話せるわけがない。でも、ここだけの話として言うならば、あの幼い頃の出来事が僕にとっての「秘密の扉」を開いたのだろうと思う。普通の人から見れば、ちょっと奇妙な話かもしれないが、僕にとっては大切な「逃げ場」なのだ。
ストレス社会の中で、みんなそれぞれの方法で息抜きをしていると思う。僕の場合は、それが少し変わっていただけ。だからと言って、僕が異常者だとは思わないでほしい。誰にでも、心の奥底には他人には理解できない部分があるものだ。
物置の中で泣き叫んでいた幼い僕は、今ではその経験を利用して、自分なりのリラクゼーションを見つけた。もし、同じような経験を持っている人がいたら、ちょっとした安心感を与えられるかもしれない。だから、この話はここだけの秘密にしておいてほしい。